もともと私の母が飲食店や旅館などの経営をやっており、清広の押し寿司は、母が営む割烹料理店で提供していたメニューがルーツになっています。当時、安く手に入っていたイワシを使ったコース料理を割烹料理店で提供していました。板前さんにはイワシのような安い魚は調理できないと言われたそうなのですが、母がメニューを全部考案してお客さまに提供したところすごく好評で。なかでも、「いわし寿司」が大変人気だったそうです。

そこで、「いわし寿司」をもっと多くの方に食べてもらおうと、博多駅のキヨスクに卸させていただき、九州リテールさん、JR九州フードサービスさん、福岡空港商事株式会社さんなどとのお取引がスタート。福岡空港やJRの主要駅、百貨店で「いわし寿司」を取り扱ってもらえるようになりました。当時は、飛行機や電車を利用するサラリーマンの方がターゲット。時間がないときにパッと買ってカバンに入れられるよう、逆さにしてもいいようなコンパクトなパッケージにこだわっていました。

他にも商品を開発してもらえないかという話をいただいて生まれたのが「たかな寿司」です。そして、福岡といえばサバが有名なので、「さば寿司」を考案して販売したところ、福岡空港の空弁売上ランキングで1位を獲得するほどの人気商品になりました。創業から40余年。母の引退後は私が引き継ぎ、伝統の味を守りながら新商品開発などに取り組んでいます。